勉強会一日目
今日は、東京有明TOCコンベンションホールでの自治体研究社主催の勉強会一日目です。
「12月議会を前に地方自治を基礎から学ぶ」
と題した勉強会です。
一日目は、2本の講演会でした。
記念講演:
「地球温暖化防止と持続可能な地域社会へ」
植田和弘(京都大学地球環境大学院教授)
実践報告
「私が市議会に目を向けるまで」
赤倉昭男(相模原市議会をよくする会代表)
記念講演で、地球温暖防止については、二酸化炭素は国が排出するのではなく、地域の日常生活や企業活動の中で排出されているものであるから地方自治体も取り組みを考えるべきであるが、不法投棄や産業廃棄物の問題などと違い、その現状が目に見えないので、どうしても難しいとおっしゃられていましたが、確かにその通りで、目に見えないし、効果がわかりにくいので、わかってはいても進めにくい(というよりも他の政策が優先されてしまう)ことになるのではないかと思います。
地球温暖化防止については、そもそも自然科学者がその問題を訴え、それを政治が取り上げたことに始まったそうですが、自然科学者は政治経済の前提を考慮せずに、大幅な温室効果ガスの削減を訴えるわけですが、政治の世界になるとバイアスがかかったりすることや、世界政府があるわけではないので、国連などで議論となるとどうしても国益の主張もあり、ぶつかってしまう難しさがあるとのことでした。
防止の流れ(世界)
1992年 リオ・サミット 合意されたのが、気候変動枠組条約
※190ヶ国以上が調印、ちなみにアメリカも調印
気候変動枠組条約は、2000年までのことしか決めていなかった。
2000年以降のことを決めなければということで、日本が招致
1997年 地球温暖化防止京都会議(COP3)
※COPとは、気候変動枠組条約の締結国による会議のこと
ここで、京都議定書が締結されたのだが、その発効は2005年
→2001年 アメリカが京都議定書離脱
いろいろ理由があるが、大きな理由としては、京都議定書は、アメリカでは別名ゴア'sベイビーと呼ばれていた。ちなみに、2001年はブッシュ政権、2000年にブッシュとゴアの熾烈な大統領選が行われたもので、ブッシュ政権が、それゆえにこの議定書から離脱したとも・・・
2005年 京都議定書発効
2007年 Cool Earth50 安倍首相が提唱。
2050年までに温室効果ガスの排出量を半減
ただ、これは世界中での目標であり、どこが減らすのかは???であった。
2008年 洞爺湖サミット 福田ビジョン
2050年までに60~80%削減による低炭素社会を目指す。
2009年 COP15コペンハーゲン
ちなみに温室効果ガスの排出量
先進国と途上国では 50:50
※ただし人口については、先進国<<<途上国
つまり、一人当たりの排出量は、先進国>>>途上国となる。
日本人一人当たりの排出量は、インド人一人あたりの4倍
アメリカ人 インド人一人当たりの19倍
という現状の場合、先に好きなだけ温室効果ガスを出して裕福になった先進国側が、発展途上国に対して排出量の削減を迫るのはとても難しいことで、先進国がとにかく努力をしなければいけないということが分かると思います。
ただ、日本では環境対策をするとどうしても経済成長が阻害されてしまうという議論が起こり、環境と経済がトレードオフ関係のような考え方をされてしまうために現在進まないのですが、EUでは、環境も大事だし、経済(雇用)も大事だということで、どちらも満たすための方法を考え、実施し、それで地球温暖化防止に取り組んでいるということが考え方の柔軟さを感じました。日本でもそういったトレードオフではなく、うまく両者を生かす制度設計が必要なのだと思います。
環境政策については、面白いことに日本は地方から始まった(ローカルイニシアティブといいます)そうです。
水俣病の公式確認 1956年 →認定は1968年
このころは公害に対する法律、省庁もなかった。
しかし、住民は自治体に困ったとやってくる現実がある。
公害防止協定 1964年
横浜市が発電所と国の基準より厳しい内容の協定を結ぶ
日本の自治体の発明といえるもの、ドイツなども視察に来た
公害防止条例 1968年 東京都
この流れを受けて、1970年に公害国会が開催、そして1971年環境庁発足という国に影響を与えることとなったそうです。環境の取り組みは、日本の場合は、まさに地方自治体から始まったということでした。
こういった流れを勉強できて有意義でした。明日は終日、自治体の予算と決算についての勉強です。
「12月議会を前に地方自治を基礎から学ぶ」
と題した勉強会です。
一日目は、2本の講演会でした。
記念講演:
「地球温暖化防止と持続可能な地域社会へ」
植田和弘(京都大学地球環境大学院教授)
実践報告
「私が市議会に目を向けるまで」
赤倉昭男(相模原市議会をよくする会代表)
記念講演で、地球温暖防止については、二酸化炭素は国が排出するのではなく、地域の日常生活や企業活動の中で排出されているものであるから地方自治体も取り組みを考えるべきであるが、不法投棄や産業廃棄物の問題などと違い、その現状が目に見えないので、どうしても難しいとおっしゃられていましたが、確かにその通りで、目に見えないし、効果がわかりにくいので、わかってはいても進めにくい(というよりも他の政策が優先されてしまう)ことになるのではないかと思います。
地球温暖化防止については、そもそも自然科学者がその問題を訴え、それを政治が取り上げたことに始まったそうですが、自然科学者は政治経済の前提を考慮せずに、大幅な温室効果ガスの削減を訴えるわけですが、政治の世界になるとバイアスがかかったりすることや、世界政府があるわけではないので、国連などで議論となるとどうしても国益の主張もあり、ぶつかってしまう難しさがあるとのことでした。
防止の流れ(世界)
1992年 リオ・サミット 合意されたのが、気候変動枠組条約
※190ヶ国以上が調印、ちなみにアメリカも調印
気候変動枠組条約は、2000年までのことしか決めていなかった。
2000年以降のことを決めなければということで、日本が招致
1997年 地球温暖化防止京都会議(COP3)
※COPとは、気候変動枠組条約の締結国による会議のこと
ここで、京都議定書が締結されたのだが、その発効は2005年
→2001年 アメリカが京都議定書離脱
いろいろ理由があるが、大きな理由としては、京都議定書は、アメリカでは別名ゴア'sベイビーと呼ばれていた。ちなみに、2001年はブッシュ政権、2000年にブッシュとゴアの熾烈な大統領選が行われたもので、ブッシュ政権が、それゆえにこの議定書から離脱したとも・・・
2005年 京都議定書発効
2007年 Cool Earth50 安倍首相が提唱。
2050年までに温室効果ガスの排出量を半減
ただ、これは世界中での目標であり、どこが減らすのかは???であった。
2008年 洞爺湖サミット 福田ビジョン
2050年までに60~80%削減による低炭素社会を目指す。
2009年 COP15コペンハーゲン
ちなみに温室効果ガスの排出量
先進国と途上国では 50:50
※ただし人口については、先進国<<<途上国
つまり、一人当たりの排出量は、先進国>>>途上国となる。
日本人一人当たりの排出量は、インド人一人あたりの4倍
アメリカ人 インド人一人当たりの19倍
という現状の場合、先に好きなだけ温室効果ガスを出して裕福になった先進国側が、発展途上国に対して排出量の削減を迫るのはとても難しいことで、先進国がとにかく努力をしなければいけないということが分かると思います。
ただ、日本では環境対策をするとどうしても経済成長が阻害されてしまうという議論が起こり、環境と経済がトレードオフ関係のような考え方をされてしまうために現在進まないのですが、EUでは、環境も大事だし、経済(雇用)も大事だということで、どちらも満たすための方法を考え、実施し、それで地球温暖化防止に取り組んでいるということが考え方の柔軟さを感じました。日本でもそういったトレードオフではなく、うまく両者を生かす制度設計が必要なのだと思います。
環境政策については、面白いことに日本は地方から始まった(ローカルイニシアティブといいます)そうです。
水俣病の公式確認 1956年 →認定は1968年
このころは公害に対する法律、省庁もなかった。
しかし、住民は自治体に困ったとやってくる現実がある。
公害防止協定 1964年
横浜市が発電所と国の基準より厳しい内容の協定を結ぶ
日本の自治体の発明といえるもの、ドイツなども視察に来た
公害防止条例 1968年 東京都
この流れを受けて、1970年に公害国会が開催、そして1971年環境庁発足という国に影響を与えることとなったそうです。環境の取り組みは、日本の場合は、まさに地方自治体から始まったということでした。
こういった流れを勉強できて有意義でした。明日は終日、自治体の予算と決算についての勉強です。
by ebiken-chigasaki
| 2008-11-17 21:23
| 視察・勉強