茅ヶ崎市議”えびけんの政治”日記 by 茅ヶ崎市議会議員 海老名けんたろう

茅ヶ崎市議会議員”えびけん”こと、海老名けんたろう(松下政経塾出身)の茅ヶ崎市議活動日記。メールはebiken72@gmail.comまで
2009年2月に読み終えた書籍

景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書)

岩田 規久男 / 筑摩書房

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 マクロ経済学の入門書という位置づけで考えれば、わかりやすい1冊、経済学を初めて学ぶという方には、お勧めだと思います。

 景気がなぜ変動するのか

 設備投資、消費、国内と海外の景気の影響などについてその景気への関連性の説明がなされるとともに、サブプライムローン問題といった今日的なテーマも入っております。

 また、インフレへの対策についての政策の影響の説明なども行われます。

 ただ、実生活というか、実際の需給関係とはかけ離れたある意味マネーゲームが失敗した結果招いているこの現在の世界的な急激な不況を理解することは難しいと思われます。

 しかし、マクロ経済学を一から学ぶ、初めて学ぶという方にはお勧めです。ただ、本格的にという場合は、最後の章の部分くらいなら参考になるのかなーという感じでした。

ナショナリズムという迷宮―ラスプーチンかく語りき

佐藤 優 / 朝日新聞社

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 佐藤優氏と魚住昭氏が、タイトルの「ナショナリズム」をテーマに、ファシズム、キリスト教とイスラム教の世界観の違い、キリスト教の中でもアメリカのキリスト教とヨーロッパのキリスト教、新自由主義のホリエモンとホリエモンに対抗した国家の関係など、非常に知的好奇心をくすぐってくれる対談でした。

 特に、日本ではファシズムというと、完全なる悪のレッテルがはられることになると思うのですが、それは、結果から見た判断であり、中身を見ていくと評価できる部分もあることがわかります。

 キリスト教とイスラム教の決定的な違いとして、キリスト教は、「原罪」の意識が強いが、イスラム教は、同じエデンの園のアダムとイブの話でも、最後にアダムと神が和解するように、その「原罪」の意識が薄いということ。

 後半の蓑田胸喜という今の日本では忘れられている思想家の「天皇機関説」の攻撃や、徹底する姿勢と、丸山真男との対比、自分の思想に命を懸け、結局思想が違うとわかれば、自殺した蓑田胸喜と戦争中に自らは積極的には協力せずにいた真性のインテリゲンチャという位置づけ、協力したのは自分たちのようなインテリゲンチャではなく、亜インテリゲンチャだというのは、責任逃れのような感じにも取れないと思いました。

 全体的には、佐藤優氏が、魚住昭氏に解説するというか、魚住氏がインタビューで聞き出すという感じの流れでした。

 最後のまとめのところで、佐藤氏が「絶対に正しいものはあっていい」ただし、それは複数あり、それは権利的に同格であること、「絶対に正しい」は、誰にとっても正しいものではなく、ある特定集団にとっての正しいものであるにすぎないということ、それが複数あることを認識することが大切だという考え方は、相互理解の上で大切なことだと思いました。

テロルとクーデターの予感 ラスプーチンかく語りき2

佐藤 優 / 朝日新聞出版

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「ナショナリズムの迷宮」に引き続き、佐藤優氏と魚住昭氏の対談本第2弾

 佐藤氏は、田原総一郎氏との対談本「第三次世界大戦」などでも挙げられていますが、2008年が大きな転換の年、サブプライムローンそしてリーマンショックによる世界的経済不況であらわされた新自由主義の行き詰まりと、グルジア紛争でアメリカがロシアの尻尾を踏み、ロシアの軍事行動になにもできなかったことが、その大きな転換の証拠ということを語られていますが、この本でもその持論が展開されます。

 なぜ、佐藤氏の書籍に関心を持つのかと考えると、旧ソ連、現在のロシアという日本人にとってはかなり縁遠い国からの視点という特殊性と、キリスト教神学に裏打ちされた豊富な宗教知識、そして左右の思想にとらわれることのない幅広い視野が、知的好奇心を刺激するのだと思います。

 今回は、宇野弘蔵や権藤成卿といった今ではあまり名前を聞かない人物の考えや、中江兆民に幸徳秋水と本当にさまざまな人の思想を引っ張ってきて現代の病理を解き明かしていきます。

 アナーキズムが蔓延する可能性の高い今、このアナーキズムとどう戦っていくのか、政治がこの問題に真摯に向き合わなければならないと思います。

資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言

中谷 巌 / 集英社

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 新自由主義経済に裏打ちされた日本の構造改革の急先鋒として働いていた著者の中谷巌氏が、現在の日本社会を見て懺悔するということでした。経済の話と思っていましたが、全体的には日米文化比較と日本文化論という感じに仕上がっていました。

 「資本主義はなぜ自壊したのか」というタイトルですが、新自由主義をベースにした資本主義のことであり、資本主義には様々な形態があるので、どちらかというとアメリカ型の新自由主義による資本主義の自壊というべきなんだろうと思います。

 まずは自らの米国留学から始まります。中谷氏のアメリカへの憧れが描かれています。私も3週間くらいワシントンDCのジョージタウン大学に語学研修に行ったことがあるのですが、中流階層とはいえ、日本と比べたらはるかに広い庭付きに家の生活風景などを見て、アメリカに対する憧れの感情を抱きました。

 その後、中谷氏が、アメリカで学んだ経済学、市場原理で日本において構造改革を行わせようと活動していたが、今世紀に入り、国内で広がる格差、地域医療の崩壊、無差別殺人事件などを見て、自分の間違いに気づいき、考え直し、アメリカの特殊性をあぶりだすとともに日本のよさを見つめなおすというものです。

 アメリカの特殊性について、その建国から宗教国家・理念国家としてのアメリカの説明がなされます。今この世界に広まったアメリカンスタンダードとも言うべきグローバル資本主義を理解する上では、アメリカという国の特殊性を理解しなければいけないと思います。

 日本についても、一国一文明というハンチントンの主張を引用し、その日本文明の特徴を、日本の神話から、縄文時代といった古代から説き起こしてきます。そして、中谷氏自身が、アメリカから戻り構造改革の急先鋒の役割りを果たした中で、その変えるべきものとしていていた日本の雇用形態や取引の慣行についての見直しを行っています。まさにそれは中谷氏の自戒です。

 また、キューバやブータンといったグローバル資本主義に巻き込まれずに満足度の高い生活を送っている国の話も出てきます。考え方を変えようということだと思いますが、これをそのままというのはあまりにも無理な話だとも思います。けれどもどちらの国のあり方も参考になりますし、特に、ブータンの考え方は、満足するとはなんなのかというのを考えさせられます。

 再生の提案もありましたが、これだけ考察ができるのならなぜという思いもありましたが、アメリカが普遍として唱え続けるさまざまな理論がそうではないと考えることのできる1冊です。

憲法はむずかしくない (ちくまプリマー新書)

池上 彰 / 筑摩書房

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 青年会議所活動として憲法タウンミーティングを担当するので、改めて憲法を読んでみようと思い、手にとって読んでみました。

 池上彰先生らしく、あくまでも憲法の入門書としての位置づけで読む上では、お勧めの一冊だと思います。

 日本国憲法がどのようにしてできたのか、議論として「押しつけられた」「押し付けではない」という論争もありますが、そのことについての池上彰先生なりの事実確認もなされています。

 現在の自衛隊もどのような経緯で、そのようになってきたのか、その過程で政府の解釈がどのように変わってきたのか、そして現在の派兵問題での矛盾などがコンパクトにまとまっています。

 ご自身が護憲か改憲かをおいておいて、憲法を初めて読んだ方が、どのように考えるのかを提供しようという姿勢がうかがえ、そういった意味では、護憲か改憲かという立場の前に、そもそも「憲法」を知るという意味からはお勧めです。来年からは国民投票法が施行されます。来年までにぜひ一度、まずはこの本で「憲法」にふれてみてはという一冊です。

ローマ亡き後の地中海世界(上)

塩野七生 / 新潮社

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 ローマが興り、パクスを実現し、そのパクスを守り、崩れるさまを15年かけて描いた「ローマ人の物語」の続編、といってもローマ亡き後の地中海が舞台です。

 世界史を学ぶと、ローマなき後については、西洋はフランク王国などが中心となり、その舞台が地中海を離れることになってしまい、また、アラブの歴史も別個に学ぶため、ここの関連がわからないままに進み、気がつくと十字軍で一気につなげられてしまう形になってしまいますが、そのつながるまでの間の地中海がどうなっていたのかが、海賊、それもイスラム教のサラセン人の海賊に彩られていたということがわかります。

 パクスなき後の世界がどうなるのか?
 
 庶民にとっては、安心・安全とは程遠い、いつ自らの命がどうなるのか?本当に不安で「暗黒」といっていい時代であることがわかります。

 上巻は、イスラム世界の力に押され、海賊行為で荒らされまくる旧ローマ帝国世界が描かれています。拉致されたキリスト教とが北アフリカに連行され、強制的に労働を強いられ死んでいく中、海賊を討伐するだけでなく、修道士たちが寄付金を集め、そのとらえられたキリスト教徒たちを買い戻したり、騎士団も同じようにときには自らが身代わりとなる形で救出する活動が展開される姿が描かれています。

 地中海の南北でキリスト教とイスラム教の対立が描かれていますが、そんな中でも、交易で利潤を得ようとするものもおり、宗教の違いにとらわれず、商魂たくましく活動する姿もあり、一筋縄ではいかない世界が展開されています。

 中世史に新たな視点を得る上でも、またパクスが崩れるということはどうなるかということが具体的によくわかる1冊です。
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by ebiken-chigasaki | 2009-03-01 13:41 | 読書記録
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