茅ヶ崎市議”えびけんの政治”日記 by 茅ヶ崎市議会議員 海老名けんたろう

茅ヶ崎市議会議員”えびけん”こと、海老名けんたろう(松下政経塾出身)の茅ヶ崎市議活動日記。メールはebiken72@gmail.comまで
カテゴリ:読書記録( 62 )
「日本の原発。どこで間違えたのか」著:内橋克人

日本の原発、どこで間違えたのか

内橋克人 / 朝日新聞出版

 正直、まず思ったのがこの本をもっと若いうちに、復刻ではなく出た当初に読んでいたならば、私に考えもかなり変わっていただろうということです。 

 原発の安全性について、「公開ヒアリング」で原発建設地住民に本当にきちんと説明できていたのかということについての内橋氏のこのルポを読むとまったくできていなかった。市民との意見交換を仕切る学者も学者としての立場よりも、政府側で仕切る立場としての振る舞い、住民の安全への不安に対する質問にもまったく十分に答えないさまについては、疑惑を深めども、安心はできないということでした。 

 しかし、それをお金の力で抑え込む・・・雇用を生み出し、インフラ整備が進み…だから黙る。 

 それだけではなく、そのお金の力に魅せられた市長の講演会内容などは正直唖然とするばかりでした。安全性については政府お任せで疑わない、そして国や原発を持つ電力会社からのある意味迷惑料ともいえる多額のお金がもらえ、インフラ整備も思うがまま、安全神話を一遍も疑わずにのっかり、そして、お金儲けになると信じ切って行動している姿は、本当に恐ろしいという思いでした。 また、電力コストについても、私も原発が一番コストが安いんだと教わった記憶がありましたが、そのコスト計算についてもかなり恣意的で、計算の際の前提条件と現実の条件のかい離(各発電の稼働率の違い)や、後処理まで考えていなかったこと(放射性廃棄物の処理)など、その算定についても???と思わざるえなかったと思っています。 

 印象としては、政治が絡み、技術を確認する前に政治主導で進められてしまった結果、原発をつくる為の理屈付けとしての電力コスト計算の恣意的な方法や「公開ヒアリング」などでの安全に対してのまったくかみ合わない的外れといっていい回答などにつながったのではないか、もし、まずはきちんと研究が進められ、科学者・研究家の層が厚くなった上であったなら、日本の原発もまた違う形になっていたのではないかと思わざるえませんでした。 

 改めて私自身、正直、1972年に生まれ育っていく間、原発を恐ろしいものとは教わることもなく、国の安全神話と未来のエネルギーイメージにとらわれ、疑うことを忘れていた自分の自戒の書ともいうべきショックを受けた1冊でした。

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by ebiken-chigasaki | 2012-01-22 23:56 | 読書記録
十字軍 3 著:塩野七生

十字軍物語〈3〉

塩野 七生 / 新潮社

 十字軍の第三巻は、ついにイスラム教側もキリスト教側も役者が出そろう第三次十字軍から最後となる第八次十字軍とその後の話になります。 イスラム教側は二巻後半以降から登場のイスラムの英雄サラディン、キリスト教側は獅子心王のリチャード(イギリス)とフランス王フィリップ。リチャードの陸海連動での攻めに押されるサラディンで展開されるも、フィリップが帰国後リチャードの領土などを奪いに走り、そのためイェルサレムの奪還までは完遂できない講和による妥協的解決に、だんだん究極の目的よりも世俗的な目的が勝ち始めるのが見え始める十字軍で、それは第4次でさらにはっきり出ることになり、教皇の力が弱くなり始めるのを感じます。 三巻を読んでいて印象に残るのは、改めて宗教家と統治者の違いです。「不信仰の徒」のイスラム教側と講和をして現実的利益をとった十字軍の指導者たち(リチャードやフリードリヒ)よりも、不成功でも、大敗を喫してしまっても、その後に大きなマイナスの影響を与える結果になっても「不信仰の徒」と講和などもせずに戦い続けるフランス王ルイを評価し、聖人に列するというのは、宗教と政治の考え方の大きな違いがわかります。それは、理想なのか現実なのかということといってもいいと思いますがそれを一番感じたのがこの三巻でした。

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by ebiken-chigasaki | 2012-01-17 23:43 | 読書記録
十字軍物語 第二巻 著、塩野七生

十字軍物語2

塩野七生 / 新潮社

第一巻は、第一次十字軍とその十字軍に関わりイェルサレムを取り返し、エデッサ伯領、アンティオキア公領、イェルサレム王国、トリポリ伯領を打ち立てた中心となった第一世代の退場(死去)で終わりましたが、キリスト教側の攻勢とイスラム教側の守勢と共食い的な状況でした。  第二巻は、打って変わって、キリスト教側の守勢とイスラム教側の攻勢ということでした。それは、第一次十字軍が中心世代の主人公たちがそれぞれに人間関係が良好ではなくとも「聖地解放」という世俗を超えた究極目標でどうにか決定的な仲間割れもせずにまとまれたキリスト教側といつまでも内部分裂と内紛と、隙あらば同じイスラム教側でもその領土を奪おうとし続けた結果でしたが、今度はその逆の流れが起こるというものでした。  「聖地を解放」という究極目標を果たすことで、それを守るのが難しいにもかかわらず、ヨーロッパ側の方は解放で満足したのか、その後のまとまった形での戦力を送ることはなく、そんな中、十字軍のキリスト教側の重要な要素ともいえる宗教騎士団が生まれ、守勢に活躍するということになるが、結局第一次十字軍でできた各国もその第一世代の頃の協力関係から崩れバラバラになり、どんどん弱体化し、ついには聖地を失ってしまうことになるのは、まさに、究極の目標を失った結果といえるものだと思います。  イスラム側には、ついにイスラム側の主人公ともいうべきサラディンが登場してきます。その前のヌラディンの存在が重要なのですが、このクルド族のサラディンがまとめあげ、そして究極の目標を掲げ、「ジハード(聖戦)」でバラバラのイスラム側をまとめ、ついにはイェルサレムを取り戻すという第一巻とまさに逆のことが発生します。  思い出してみると、イラクのサダム・フセインがサラディンを英雄とたたえていましたが、そのサラディンの出自は、サダム・フセインが弾圧していたクルド族というのはなんとも皮肉なものです。  キリスト教側、イスラム教側をグループ的に考えたときに、そのまとめることのむずかしさ、世俗を超えた究極の目標をどう設定するのか、また、その目標到達後にこそ困難さがあることを思い知らされた1冊でした。

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by ebiken-chigasaki | 2012-01-09 18:59 | 読書記録
十字軍 第一巻  著、塩野七生

十字軍物語〈1〉

塩野 七生 / 新潮社

 三巻すべて揃ったところで読み始めましたが、この第一巻の感想としては、塩野七生先生も書かれていますが、「究極の目標」を持つ集団と、それを持ちえない集団の差が、第一次十字軍の成否を分けた(キリスト教とイスラム教の戦いの勝敗)ということでした。 その「究極の目標」というのは、いわゆるXXX欲(金銭・領土など)という世俗的でないことが、人間関係が対立的もしくは不仲であってもまとまることができたということでした。 キリスト教側は、「異教徒からの聖地の解放」これにより本来ならあまり良好といえない人間関係もバラバラにならなかったこと、本当に重要な局面では、その一つの目標に向かう。  逆に、イスラム教世界は、部族、そしてシーア派とスンニ派の違いだけでなく親族間でもバラバラで、救援する代わりに、その治めているところを差し出せという形で、全然向かえないし、この段階では宗教対立という理解ではなくまとまれずに、隙あらば、同じイスラム教でもその領土を取ろうとする。 この差が分けたんだと理解しました。 この第一巻で自分の認識が改められたのは、世界史で習ったときに、「カノッサの屈辱」でローマ法王が皇帝を破門し、皇帝がローマ法王に雪降る中、立ちつくし許しを乞うたことにより、法王が権威と権力において皇帝を凌駕する存在になり、それが、十字軍につながると理解していましたが、その後、皇帝の反撃で、ローマ法王はローマにいることもできず、さすらい続け、屈辱時点では法王が勝者であったが、その後の展開では歯医者同然であったこと この状況を打破する方法として、次のローマ法王ウルバン二世が提唱した「十字軍=異教徒からの聖地の解放」ということであったということでした。 もう一点は、戦力、兵数が十字軍側はとても少ない、それだけ騎士の強さを認識させられました。それだけこの第一次十字軍のリーダーたちの資質の優秀さ、信念の強さ、兵の質の良さなどが際立った結果でもあるんだと思いました。

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by ebiken-chigasaki | 2012-01-08 21:42 | 読書記録
時代を読む経済学者の本棚 著:根井雅弘

時代を読む 経済学者の本棚

根井 雅弘 / エヌティティ出版


 2011年から読んで、2012年第一号の読了です。 1990年代初頭のバブル崩壊から、2011年の「失われた20年」とも言われる期間の毎年の景気状況や経済課題の説明の後に、その年に、著者が書評した経済書についてのその書評をセレクトしまとめたものです。 1992年~2011年の毎年の書評のセレクト版ですが、まず印象に残ったのが、改めて、ケインズのすごさというのか、新ケインズにしろ、反ケインズにしろ、結局ケインズが出てくることのすごさを思い知らされます。良くも悪くも議論は、ケインズを軸にして回るというものなんだろうかと こうやってその年の景気状況と重ね合わせながら読むと、経済学と時代の要請がわかり、より理解が深まります。 日本の不況の原因を探る シカゴ学派、市場原理主義 その市場原理主義に対する反撃 リーマンショック後のケインズの復活 ケインズを巡る議論と、こうやって経済書を読めば、もっと理解が深まっていたんだな、読んでいてうらやましくも思いました。依然読んだ書籍を改めてその書籍が出た時代や流行った時代と合わせて読み返したいと思うとともに、興味があったが読んでいなかった経済書について読んでみたいという出会いを得ることができました。「失われた20年間」と呼ばれる1990年初頭から今までを振り返る上で指針になる1冊だと思います。

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 2011年から読んで、2012年第一号の読了です。
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by ebiken-chigasaki | 2012-01-02 22:16 | 読書記録
読了「超マクロ展望 世界経済の真実」

超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書)

水野 和夫 / 集英社

 哲学者の萱野稔人氏とエコノミストの水野和夫氏のこれからの世界経済がどうなるのかについて、資本主義500年の歴史、覇権国家の移り変わり(スペイン→オランダ→イギリス→アメリカ)の流れを追いながら今後の展望を語り合っています。 印象的なのが、覇権国家が斜陽に向かうときは、実体経済から金融経済化していくということでした。そういった意味ではアメリカも完全に金融経済化しているということで、今後崩れいく予兆なのかと思わせるものでした。 また、日本で今も続いているデフレについて、たとえば森永卓郎氏や勝間和代氏は、いわゆる紙幣をどんどんする量的緩和で乗り切ることを主張していますが、この本の二人の対談で、大きな流れで見ていくと、そもそもの体制を大きく変える(パラダイムチェンジ)をしないとこのデフレを克服することは難しいというもので、2011年元日の朝生で、森永氏・勝間氏と池田信夫氏がデフレ対策について激論になっていましたが、改めて、この4者でデフレについて議論し合ったらどうなるんだろうと思いながら読み進めました。 今の日本のデフレ状況や世界経済の展望を、近視眼的に、今見える現象だけでなく、資本主義の500年の歴史から今後を見るという”超マクロ”で考える。新たな視点を得るという意味でお勧めです。 .

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by ebiken-chigasaki | 2011-01-15 23:33 | 読書記録
二大政党制批判論を読んで 神奈川も地域政党が必要なんではないか

二大政党制批判論 もうひとつのデモクラシーへ (光文社新書)

吉田 徹 / 光文社

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 茅ヶ崎市議”えびけん”こと海老名けんたろうです。前回読み終えた「世論の曲解」に続き、政党や選挙に絡む本として読みました。

 以前、メディアで、二大政党制についての言及があり、時代は二大政党制というような感がありましたが、私は、正直二大政党制については疑問がありました。その疑問について、疑問が晴れるというよりも、やっぱりそうだ。二大政党制がいいのではないという確信に至った1冊です。

 55年体制が崩れるまでは、自民党の中で、派閥による政権交代がなされてきました。その中において、野党はその自民党政権を批判するための組織として機能するも、政権を担えるような形ではありませんでした。確かに派閥内での政権交代を行ってきたとはいえ、それでは、パラダイムチェンジ的な意味での対応は難しいのだと思います(大きな部分では同じなため)。

 どのように選挙そして政党政治を変えていくのかという政治改革論議や、諸外国の政党政治との比較の中で、二大政党制も一つのデモクラシーであること、というよりも実はかなり特殊な条件がそろわないとできないということがわかります。

 二大政党制ということは、少なくとも国民を二分するだけの断層(たとえば、大きな政府 VS 小さな政府 や、自由 VS 平等)というような形でなければなりません。

 私は、日本はそういった二分は難しい。それは日本だけでなく世界においても、生物多様性という言葉があるように、本当に多様であり、二大政党制では、正直本当にその多様さにこたえることができるのかといったら疑問です。また、この本の指摘にある通り、二大政党制だと、どちらも勝つために、一番有権者層の多い中道によることになり、あまり違いが判らなくなってしまうという可能性もあります(1対1で確実に勝つためには、ニッチではなく王道でなければならないため)。

 やはり、多様性ということから、多様な民意を反映させるということから考えると多党制がよりましだと私は思います。

 政党は、世界史レベルで確認すると、社会の断層において、その両側のそれぞれが組織化されることで形成されてきました。
  貴族 VS 資本家(中産階級)
  資本家 VS 労働者
  経済活動 VS 環境

 この断層を考えた場合、今の日本の政党がそういった意味での断層で構成されているのかというと疑問がわきます。実際に、自民党・民主党・みんなの党のキーパーソンは、自民党出身です。正直そういった意味では何が断層なのかわかりづらい。むしろ権力闘争の面で、その組織を飛び出して形成されているというほうが妥当するのではないでしょうか?この本を読むと改めて、日本の国政を中心とした政党の在り方について疑問を抱きます。
 
 私自身、今の地方政治との関係でみると、ある意味断層を見出すとしたら、中央重視型(中央統率型) VS 地方重視型(地方アメーバ型)なんだと思います。だからこそ、大阪での大阪維新の会や、名古屋の減税日本という地域政党が誕生するんだと思います。そして神奈川もやはりどの中央政党に対しても、是々非々でつきあう地域政党が求められているんだと改めて思いました。

二大政党制批判論 もうひとつのデモクラシーへ (光文社新書)

吉田 徹 / 光文社

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 茅ヶ崎市議会議員 海老名けんたろう
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by ebiken-chigasaki | 2011-01-07 18:02 | 読書記録
<読了>世論の曲解 ~なぜ自民党は大敗したのか

世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)

菅原 琢 / 光文社

 テレビや新聞で、「次の首相はだれ?」といった質問や、また毎週のように、そのときの首相の支持率や、政党の支持率を見ますが、それをストレートに受け取り行動してしまうことの危うさがよくわかる1冊です。 サブタイトルの「なぜ自民党は大敗したのか?」にある通り、自民党から民主党の政権交代について、選挙そして世論調査の分析からその原因を、2005年の小泉郵政選挙や2000年以降の国政選挙などとの比較で展開されます。 なぜ、2005年自民党は大勝できたのか?それはこれまで不得意とする都市部、そして非常に流動的に柔軟に反応する若年者層に受け入れられたからであり、それは小泉純一郎氏が、新しい自民党、今までの流れと大きく違う自民党を展開したからでした。しかし、その後の自民党は、その新しい形から、結局また旧来型の自民党に舵を切る形になり、せっかく新たにひきつけた層が離れていったことが分かります。 小泉首相の後の、特に、自民党政権を民主党に渡すことになる麻生首相については、その前の安倍・福田と麻生氏を破り首相になった者たちが1年で消え、首相候補として残り続けた結果とネット世論に踊ったメディアとそれを信じた自民党が、ひきつけた層から見捨てられ、大敗するということでした。 世論調査について、メディアの調査方法の変遷や、また調査質問文の変更などに及ぶ分析・比較は、メディアの行う「世論調査」を額面通り信じることの恐ろしさがよくわかります。大敗の理由の一つは、メディアリテラシーの無さに起因していることなんだと思います。

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by ebiken-chigasaki | 2010-12-29 10:21 | 読書記録
2010年5月に読み終えた1冊 

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

岩崎 夏海 / ダイヤモンド社

 ドラッカー先生の「マネジメント」を具体的な事例に当てはめて理解しようという1冊。公開討論会を行うものの心得として薦められて読みましたが、やはりこの高校野球の野球部という設定が当たりなんだと思いました。

 弱小高校野球部を主人公のマネージャーが、ドラッカー先生の「マネジメント」を使いながら、様々な思いを抱く部員や部員とうまくコミュニケーションのとれなかった監督をまとめ、高校野球の新たな流れを生み出す=イノベーションを起こし、奇跡を起こすという話を通して、「マネジメント」のエッセンスを学ぶというものです。

 正直、準決勝から決勝にかけては思わず熱くなるものもありました。

 ドラッカー先生の「マネジメント」のエッセンスのエッセンスを学ぶという意味ではいいと思います。ただ、それは著者の理解による部分もあるので、これを読んでから、ドラッカー先生のマネジメントを読んではいかがでしょうか。

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by ebiken-chigasaki | 2010-05-30 22:51 | 読書記録
2010年4月に読み終えた書籍③ この1冊ですべてがわかる普天間問題

この1冊ですべてがわかる 普天間問題

小川 和久 / ビジネス社

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 政権交代し普天間飛行場をどこに移転するのかについて迷走する中、そもそも普天間について知ろうと思い読んだ1冊です。

 普天間飛行場ができた経緯や、返還合意に至った背景などの説明

 アメリカ軍の説明や、普天間に展開する海兵隊の説明

などがコンパクトに展開されており、問題の前提を知る上で役立ちます。

 また、解決策として、著者は、嘉手納統合やグアム移設はできない。県内の他の米軍基地エリア(キャンプ・ハンセン)に普天間と同レベルの飛行場を設置し、そこに移転すべきとの主張がなされています。

 ただ、それは単に普天間だけに限らず、米軍基地の整理・統合・縮小に向けた最初の重要なステップと位置付け、「日米関係を壊すことなく、沖縄の軍事基地すべてを廃止する」ことを最終目標にしたロードマップを、日本政府がきちんと作り取り組んでいく必要を主張しています。

 その取り組みに際しては
  ・米軍基地の返還と整理・統合・縮小のさらなる実現
  ・沖縄の経済的自立を可能とする抜本的振興策の立案
  ・アメリカの軍事的プレゼンスの維持

を十分に検討することが必要だとのことです。

 普天間については、とにかく表紙の写真にある通り、飛行場周辺には民家、学校、公民館が張り付き危険な状態にあることから、まずは緊急の危険除去を行うことを訴えていました。本格的な移設先が決まるまでの間、固定翼機・ヘリそれぞれの仮の移駐先を決めて、まずは普天間を使わない状況(ただ、本格的な移設先が完成するまでは普天間飛行場自身は確保)にするべきだということでした。

 返還合意は、自民党政権下、1996年になされたとはいえ、今や14年が経過しています。この責任として著者は、政治の不在、政治の無責任をあげていました。返還は合意したにもかかわらず、危険な状態はそのままに進んだのは、政治の不在、政治の無責任であるというのは、まさにその通りなんだと思います。

 民主党政権に代わり、政治の過剰でこじれていくことに警鐘を鳴らし、その解決にために3つの条件と4つの作業を掲げ、これらを首相が沖縄県民に示した上で、県民に詫びて、県民の理解を得るように求めるべきとの見解が示されています。確かにそうだと思うですが、今やこじれすぎていて、恐らくこの手は手遅れの可能性が高いのではないかと思います。

 <3つの条件>
  ①普天間からの危険性の除去
  ②日米地位協定の改定
  ③沖縄経済の活性化

 <4つの作業>
  ①普天間飛行場の航空機を「仮の移駐先」に移動
  ②日米同盟はベターな選択であることを沖縄県民と確認
  ③沖縄が米軍基地問題を解決する条件を沖縄県民と確認
  ④普天間返還を突破口に、沖縄の未来を展望し、その自立を実現する構想を描き、本格的な移設先を決定

 民主党がどういった結論を出すかは、今後の推移を見守るしかないのですが、普天間について報道の過熱ぶりに惑わされずに、一度冷静になって、現状や歴史、アメリカ軍の関係などを知る必要があると思います。
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by ebiken-chigasaki | 2010-04-28 14:09 | 読書記録


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