茅ヶ崎市議”えびけんの政治”日記 by 茅ヶ崎市議会議員 海老名けんたろう

茅ヶ崎市議会議員”えびけん”こと、海老名けんたろう(松下政経塾出身)の茅ヶ崎市議活動日記。メールはebiken72@gmail.comまで
11月読書記録
11月に読み終えた書籍です。

徳富蘇峰 終戦後日記 (3) 『頑蘇夢物語』歴史篇

徳富 蘇峰 / 講談社



 第3巻 歴史編とあるとおり途中日本の歴史の再検討に、憲法改正、東京裁判、ストライキで構成されています。

 憲法改正については、皇室中心主義の蘇峰にとっては反対であり、必要ないものと考えています。そもそもこれは、マッカーサー欽定憲法であるということからして反対であり、日本国憲法の「天皇が国民の象徴であることや国民の総意でその地位にあること」が、日本の国体=皇室中心主義を変えてしまうこと、アメリカはそれを考えていること、また憲法9条の戦争放棄については、そもそも兵器も軍隊ももてない当時の日本においては、しないのではなくできないのだから変だということでおかしいと言います(確かに、制定当時はそうだったといえるかもしれません。この点について今はどうおもっているのでしょうか)。

 東京裁判については、裁判事態がはじめから結論があり、そこに持っていくために「日本罪悪史」を創作していると断じていますが、その創作について連合国が行うのは勝ちたる国ゆえに仕方がないと考えるのですが、日本人がいきなりそれに迎合し、すべてを軍閥財閥に押し付ける形で主張することを見て、日本人に対してその付和雷同性などで非常に幻滅をしています。

 また、東京裁判について、松岡洋右氏が亡くなったことを蘇峰氏は、日本側の事情を最も説明できる人物がなくなったと嘆きます。蘇峰氏は松岡洋右氏を絶賛しています。翻って東条英機氏については、開戦前の日本において生気あふれる指導者は東条だけで期待していたが、器量・雅量がなく、ダメだったが、当時の日本がそれでも東条くらいしかいなかったということが不幸だったと語っています。この裁判でもっともショックを受けたのが満州帝国皇帝の宣統帝溥儀が証言台に立ち、最初から最後まで日本に無理強いされたもので、蒋介石と連携し、日本を裏切り、満州国を取り返すといった証言をしたことで、溥儀と日本であったことがあり、そこで日満の連携を直接溥儀に説いた蘇峰としてはあまりにショックだったようです。

 また、GHQの占領、そして第二次世界大戦後の米ソ対立の深刻化により、日本でもソ連の力をバックに共産党がストライキなどでその力を振るい、社会を乱すことをかなり歯がゆく思っているようで、ポツダム宣言を受けいれ無条件降伏し、一人立ちできない日本としては、米ソのどちらかと付き合うしかないが、どちらかというとアメリカであるが、そのアメリカは巧妙に、教育にも目をつけ、国体を変えさせる憲法についてもマッカーサー欽定憲法にもかかわらず、日本で制定させたかのごとくにして日本を民主化という米国化させていくことについて、いつか日本が歴史の再検討で「負けじ魂」が発揮されて、日本本来の姿を取り戻すことを期待しています。

 第二次大戦後すぐの日本の騒乱振りを知る上でも参考になる1冊だと思います。特に今の若い人たちにはストライキなんて本当に無縁だと思います。私が小学校のころはストライキってありました。電車が走らないとかあったなーと思います。

徳富蘇峰 終戦後日記 (4) 『頑蘇夢物語』完結篇

徳富 蘇峰 / 講談社


 徳富蘇峰氏の「頑蘇夢日記」の最終巻です。
 
 この巻においても日本が大東亜戦争に敗れたことについての批判が行われます。その最大の理由は、人材の欠乏で、そしてその原因は教育にあると説きます。教育が、結局は鋳型にはめ込んだような形で人材を生み出すものとなっていて、型にはまったときはいいが、何かイレギュラーなことが起こると対応できなくなってしまうような人材しか生み出せなくなってしまったことを痛烈に批判します。この批判は恐らく今の日本でも通用するものだと思います。

 また、蘇峰氏自らの人生の回顧もあります。明治維新、日清日露、第一次世界大戦、第二次世界大戦と生き、政治に言論の世界にと活躍し、日本と世界を見、皇室中心主義者として、天皇を頂く日本が世界の中心的な存在になること、ならせることを夢見て、精力的に活動をしてきたその姿が良く分かります。ただ、それらの大半が裏切られ、そして第二次世界大戦でも敗北ということで、自らを「百敗院泡沫頑蘇居士」と名乗ります。この徳富蘇峰氏の人生の振り返りを読むだけでも、歴史が分かります。貴重な資料だと思います。

 この巻あたりから、特に米ソ対立が鮮明になってきます。蘇峰氏は一貫して共産主義に対しては否定的で、まだアメリカのほうがましだと考えていますし、アメリカの占領政策のせいで日本に共産主義は復活し広まり、そのせいでストライキなどで日本社会が不安手になることを危惧していましたが、米ソ対立の中、アメリカも態度を変えたことにより、日本が完全なる共産化を免れたとしていますが、第二次大戦までの日本をそれまでは礼賛もしくは賛成しておきながら、戦後、東京裁判などを通して、否定・非難に変わる国民に対して嘆くと共に、アメリカの民主化という形での巧妙なアメリカ化の手法に、いつか日本人が築いて立ち上がって欲しいという願いを書いていました。今の日本はどうなのか?徳富蘇峰氏は嘆くに違いないと思います。

大衝突―巨大国家群・対決の行方

池上 彰 / 集英社



 覇権国アメリカ、そして覇権国になろうと考え資源で成長するロシア、覇権国になろうと独自外交の展開で突き進んでいく中国、一国としては小さいが大きくまとまり環境などで独自基準をグローバルスタンダードに仕上げていくEU、そして中東の大国サウジアラビア、それぞれの大国の対立、そして日本との関係などをまとめた1冊です。

 池上先生のは、本当に分かりやすい、かと言って浅いものではないので勉強になります。

 太平洋を巡りの中国とアメリカ
 グローバルスタンダードと基軸通貨の対立のEUとアメリカ
 価値観の相違 ロシアとEU・アメリカ
 中東を巡り  サウジアラビアとアメリカ
 東アジアの中心 中国と日本

 先進国と途上国の対立

 などがまとめられています。

  これを読んで、ロシアって、ソ連のときもそうですが、基本的に独裁者が現れる国家なんだと改めて思わされます。今もそうですし、プーチン首相による国家でマスメディアも押さえ、資源関係の企業も押さえる姿勢やロシアの関与と言われているロシアを批判するジャーナリズムの殺害など民主主義とはかなり程遠い国であることを実感させらます。

 また、サウジアラビアについては、日本人はあまり知らない国だと思いますが、今のイスラム原理主義の過激派を育てることになったのが、この国の宗教のイスラム教ワッハーブ派であったこと、ワッハーブ派のすさまじい教条主義的なところには驚きを感じると共に、よくアメリカとサウジが付き合っていられるんだと思います(それはお互いに利で結びついているだけですが)。

 池上氏なりの解があるわけではないので、解については、それぞれがこの本を読んで考えてくださいということなんだろうと思います。現在の世界情勢とこの現在に至るまでの経緯などを知る上ではオススメです。

日本でいちばん大切にしたい会社

坂本 光司 / あさ出版



 正直とてもいい本でした。今年読んだ本の中ではベストになるのではないかと思っています。久しぶりに感動する1冊です。

 会社はだれのため

 という中で、株主のためというのが広まりました。確かに株主のものである面もありますが、それが強調されすぎ、株主資本主義と言われるようになりました。このような風潮に疑問も感じていましたが、実際にその行き過ぎた株主至上主義というか株価至上主義が今のこんらんではないでしょうか?

 という思いの中、たまたまあるブログで見て、この本を読みました。とても素晴らしいです。感動もしましたし、会社が誰のものかという考え方についても、すっきりします。

 とにかく挙げられている会社が素晴らしい。一番初めの会社はつい最近、ガイアの夜明けだと思うのですが取り上げられた「日本理化学工業株式会社」で、この会社の障がい者の就労を巡る話や、中村ブレイスの話などどの話もかなり感動しました。日本にこんな素晴らしい会社があるんだと思いました。

 日本理化学工業株式会社で、知的障害の人を採用し働かせるときに、起こるときに「施設に帰す」といったら、みながとてもいやがる。施設でのんびりしていたほうが楽なのになんでだろうか?と疑問に思っていたときに禅宗のお坊さんに質問をすると
 
 「そんなことは当たり前でしょう。幸福とは
   ①人に愛されること
   ②人にほめられること
   ③人の役に立つこと
   ④人に必要にされること
  です。そのうちの②③④は施設では得られないでしょう。この三つの幸福は、働くことによって得られるのです」
 との答えが返されたそうです。働くことの素晴らしさを実感させられる答えです。

 会社は誰のものか、松下幸之助は公器=社会のものと表現しました。まさにそうです。公器としての役割りを果たそうとする会社の姿が描かれています。また、そこで働く人たちの働くことの誇りを感じることもできます。そもそも自分が働くとは何なのかを感じ考えることのできる1冊です。

世界石油戦争―燃えあがる歴史のパイプライン〈上〉

広瀬 隆 / 日本放送出版協会

 系図を駆使しながら、国ではなくその系図に彩られた閨閥の都合というか、思惑が戦略となり、国家が動かされ(それが国家として動いているように見え)、その閨閥らが富を蓄積していく過程が詳細に描かれています。

 9.11以来、アメリカと中東のテロという構図で描かれ、中東のテロが絶対悪のような存在で展開されてきましたが、歴史において基本的に戦争という行為において、絶対善や絶対悪といえるほどの存在はないのではないかと思います。そのことがよく分かる1冊です。

 この系図には、ブッシュも、ブッシュと争ったアルバートゴアも、チャーチルも現れます。ロスチャイルド家、ロックフェラー家、日本史にも登場する鉄道王ハリマン家などなど、アメリカでも民主党と共和党という対立という単純図式ではいかないことが良く分かります。この人がこういった閨閥に入っていたという驚きを得ます。私としてはアル・ゴアがアメリカのロスチャイルド金融財閥の閨閥であったことに驚きました。

 また、なぜ中東で戦争が起こり、反米感情が高まらざるえなかったのか、まずはイギリスの三枚舌外交に翻弄される中東、その後、アメリカがキャンプデービット合意やオスロ合意で仲介役を世間に対しては果たしているが実際にはイスラエルの肩を持ち続け、裏切り続けている現実、国連でイスラエルの行為の非難決議がなされても、それを無視するイスラエルと、そのイスラエルへの制裁を反対するアメリカと、中東が怒り狂うのも当然だろうと思わされます。また、なぜアメリカがイスラエルの肩を持つのか、もしくは持たされるのか、例えばブッシュ政権は、閣僚のめぼしいポストがユダヤ人によって占められています。従って、そのような答えになるのは当然ということになります。そういったことがこの1冊で分かります。オバマ政権もどうなるのか?それは閣僚がどういった人間で占められているのかというのを確認すると分かるのではないかと思われます。

 石油・イスラエル・イギリスの三枚舌外交、閨閥、これらに翻弄されるアラブ、ペルシャの模様が分かる1冊です。

スコア:



世界石油戦争―燃えあがる歴史のパイプライン〈下〉

広瀬 隆 / 日本放送出版協会

 下巻も系図を交えた中東の歴史、そしてその中東の石油確保に動き続ける英米の狡猾なやり方が展開されます。

 イラク、エジプト、ヨルダン、オマーン、バーレーン、アラブ首長国連邦の歴史が分かります。どのような形で植民地となり、植民地から形だけの独立を果たし、本当の独立をした後も、石油を巡り、また、天然ガスを巡り、その利権を確保しようとする欧米の資産家たち、その資産家たちの閨閥の力によって動かされているイギリス、アメリカという事情が本当に良く分かります。

 そして、その動かされているアメリカ、イギリス政府は、その政権が、アメリカにおいては共和党であれ、民主党であれ、石油利権確保においては変わらないこと、イギリスも保守党にしろ労働党にしろ同じく換わらないことを実感させられてしまうたびに、オバマ政権でどこまで変わるのか、オバマ政権の周りを固める人物がどんな人物なのかが分かってくると、その路線も分かるのではないかと思いますし、それだけの閨閥でがちがちの中でどうやってオバマ氏が、短期間で上院議員、大統領候補、大統領に上り詰めることができたのか、大統領候補選から大統領選をオバマ氏が変えたことは分かるのですが、ただそれだけで、アメリカでのし上がることはできるとはどうしても思えないので、その裏があるのではないかと勘繰ってしまいます。

 上下巻を読んで、中東をおかしくし、またおかしくし続けている存在としての欧米、特に三枚舌外交を展開したイギリスに始まり、イギリスとアメリカが敵対したり、組んだりしながら、中東の石油利権を確保するために、必要とあらば、中東各国でクーデターを発生させて、新たな新英米政権を発足させる手口、また、イスラエルに一方的に肩入れし、たとえ、国連がイスラエルのパレスチナに対する行為を非難する決議が出ても、世界各国が非難しても肩入れし続けることが、中東が英米に対しての反感を持つ構図を膿み続けることを実感させられます。中東の石油に頼っているわが国としてどのように中東と付き合っていくのか、中東を理解するのか、英米からの情報ではない情報も収集し、検討する必要があると思います。

スコア:



一本の鎖―地球の運命を握る者たち

広瀬 隆 / ダイヤモンド社



 中東を巡り、また石油を巡り世界の情勢を、人脈を駆使して描かれます。

 アメリカのブッシュ政権のネオコン一派と、石油・金融利権などで世界を動かしているロスチャイルド、ロックフェラーなどの閨閥の方向性の違い、ネオコン一派が仕掛ける戦争は復讐といったレベルで資源確保などという戦略のないものだと一刀両断しています。
 
 また、ロシアのプーチン政権の強権政治についても描かれています。日本の報道だと、かなり強権的で独裁者のようなイメージしかできない内容ですが、この本を読むと、むしろ、地下資源利権が外国に吸い上げられてしまわないように守る姿、外国とつながる形で利権を暴利をむさぼらせないようにしていることが分かり、プーチンに対する見方も少し変わりました。

 後に死刑に処されるサダム・フセインについての仮説が展開されるのですが、替え玉説(イスラエルのモサド、CIAなど)についての推論が展開されます。確かにサダム・フセインは不思議な存在です。とにかく中東のイスラム教の各国(クウェート・イラン)に戦争を仕掛けています。その不思議な存在についてなぜそうなのかということが展開されます。

 全体を通して、ユダヤ人の人脈の深さ、米英のヨーロッパだけでなく、ロシアにも影響を及ぼしているその力の大きさに驚きと共に考えさせられる1冊です。
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by ebiken-chigasaki | 2008-12-02 00:02 | 読書記録
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