茅ヶ崎市議”えびけんの政治”日記 by 茅ヶ崎市議会議員 海老名けんたろう

茅ヶ崎市議会議員”えびけん”こと、海老名けんたろう(松下政経塾出身)の茅ヶ崎市議活動日記。メールはebiken72@gmail.comまで
2008年12月に読み終えた本

ジハード戦士 真実の顔――パキスタン発=国際テロネットワークの内側

アミール・ミール / 作品社

 ムンバイでテロがあり、逮捕された一人がパキスタンに本拠を置くイスラム過激派組織「ラシュカレトイバ」という組織だということが大きく報じられましたが、ちょうどその少し前くらいから読んでいたのがこの1冊でした。

 パキスタンでいかにしてイスラム過激派組織が形成されてきたのか、その歴史が良く分かります。ただその形成には、アメリカが大きくかかわっていました。アフガニスタンにソ連が侵攻し、アフガン戦争が起こります。「ランボー3 怒りのアフガン」という映画もありましたが、アメリカはソ連を撃退するために、パキスタンでアフガニスタンに送り込むムジャヒディーン(戦士)を育てるために、パキスタンに対してさまざまな支援(金銭・武器・訓練)を行ってきましたが、89年ソ連は撤退をします。これで平和となれば、話は円満解決となるのですが、そうはいかず、その育てられた戦士は、インド(ヒンドゥー教国)とパキスタン(イスラム教国)とが領土でもめているカシミール地方での戦いに矛先を向け、9.11後のアメリカのアフガンのタリバーンに対する攻撃で、今度はアメリカに対しての戦いを始めることになります。

 その流れ、そしてこの流れに対して、パキスタンのムシャラフ前大統領は、時にはアメリカなどに対して過激派を取り締まることを行ったり、時には過激派と和平を結んだりとのらりくらりとしている様子が分かります。

 ただ、団体名がいろいろ出てくるのである程度書き出して読まないと混乱すると思いますが、なぜこのような事態が起こるのか、その一端がよくわかる一冊でした。

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21世紀の国富論

原 丈人 / 平凡社

 サラッと短時間で読める1冊ですが、その内容はとても興味深い1冊でした。

 「会社は株主のものである」という前提に立ち、その株主の満足度を高めるためにさまざまな指標を生み出し(特に、ROE)て、それを柱に会社経営が行われてきたアメリカ型資本主義のいきすぎに対する原因の分析などが行われています。

 株主が本当に心からその会社の成長を願うのならいいのですが、実際に多くの株主はその会社の長期的展望を願うではなく、一瞬の株価の上昇による売り抜けであるとするならば、株主のものを強調しすぎることは危険だと思います。その危険性の分析は私も同感する内容で、現在進行しているが問題も噴出してきているアメリカ型資本主義の危険が良く分かります。

 会社は、やはり松下幸之助が公器であると言ったように、公器として、社会に役に立つこと、製造業であるならば、人々に喜ばれるものを安く作り提供することというように立ち返るべきではないかと改めて考えさせられる1冊です。

 ITについても、パソコンというある意味演算機能から今や多くの方のコミュニケーション機能により爆発的に広がったものも、必ずしも使い勝手がいいわけではなく、人が機械に合わせる形ではなく、いかに機械が人に合わせる形になるのか、それが次世代の基幹産業となるという見解については、ユニバーサルデザインを学んでいる私にとっても同感でした。
 
 行き過ぎた株主資本主義に疑問を感じる方にはぜひ読んで頂きたい1冊です。

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大暴落1929 (日経BPクラシックス)

ジョン・K・ガルブレイス / 日経BP社

 サブプライムローンに、リーマンショックと世界全体が恐慌へ進んでいる今日、その世界的恐慌を学ぶ1冊が、この最近復刊された「大恐慌1929」です。

 フロリダの土地を所有するためではなく、転売するためだけに、しかもどのような土地なのかを確認せずに、実際にはまったく利用価値のない土地の売買といった原野商法の話が出てきます。

 また、今日本では普通になった投資信託もこの時期に会社型投資信託で登場します。昨今日本でも”レバレッジ”という言葉をよく聞くようになったと思います。このレバレッジ=てこを利かせて儲けを一気に増やしていく手法も、恐慌となるとマイナスにもテコが利いてしまい、マイナスをさらに増やす効果となったこと

 株価について、恐慌に向かっていても、大丈夫だと、底値だ、経済は健全だと大半の評論家や経済学者が発言し続けること、逆の発言をすると袋たたきに合うということ、恐らく評論家や経済学者も、本当に底値なのかという確信があるのではなく、底値と思いたい。そうでないと株式市場がより大変になるという希望的観測ということなんでしょう。

 株価の数値がいろいろ出てきています。恐らくこの数値をエクセルなどでグラフ化するとより恐慌への道が分かりやすくなるのではないかと思います。恐慌を学ぶ基礎的な1冊です。

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覇権の終焉 (Voice select)

中西 輝政 / PHP研究所

中西輝政先生のVoiceで1989年から2008年11月までの間に掲載された提言をまとめた1冊。

89年といえば、本当に激動の一年で、日本も世界も大きく変わる始まりだといえると思います。日本では昭和天皇が崩御されました。旧ソ連がアフガンから撤退を完了、またお隣の中国では民主化を求める天安門事件、ポーランドでは自由選挙が行われ東欧革命が始まる。そしてベルリンの壁崩壊と続きました。

 日本では、昭和が終わり、平成へ
 世界では、米ソ冷戦構造が終わり、新たな世界秩序を求める動きへ

 91年湾岸戦争が始まり、その後の流れの中、アメリカは旧ソ連の崩壊などから、二極体制から、一極へ、しかし、EUの成立や、中国・インドの経済成長など世界は多極へ

 昔、アメリカはユニラテラリズムかマルチラテラリズムでいくべきかという議論がありましたが、中西輝政先生が述べられているようにマルチラテラリズム(多極化)への道だったんだと思います。その道において日本はどうするのか?多極化するということは、さまざまな同盟関係が想定されるんだと思います。日米同盟を基本としつつも、どう処するのか、改めてこの20年を振り返り、考え直さなければならないということが、よく分かります。

 アメリカはこれから相対的関係において衰退化していくことは避けられません。中国もロシアも経済軍事共に成長していきます。アメリカも一極化政策を採りすぎたために多くの反米国家を生み出していくことになりました。こういった関係の中において日本はどうするか?それを本当に真摯に考えなければと思う一冊です。


世界金融戦争―謀略うずまくウォール街〈上〉

広瀬 隆 / 日本放送出版協会

 2007年からのサブプライムローンの破綻、2008年リーマンショックがウォール街を揺るがし、それは世界に大きな衝撃波をもたらしました。この世界金融戦争は、その2008年に普及版として発刊されましたが、この本が始めるネタは、2002年のエネルギー産業のエンロンと長距離通信会社のワールドコムの破綻による金融不安当時からはじめ、ウォール街に巣食う人脈、その人脈がどのように形成され、それがワシントンの政界、軍事関係、石油産業、金融産業の結びつきを解き、いかに自分たちの都合のいいように操り、多くの人たちの資産を消し飛ばしてきたかということが、これでもか!と展開されます。

 ただ、人が本当に入り組んでいるので、その整理が大変です。

 しかし、この金融戦争、そして石油戦争を読むと、イスラムがアメリカに対して激しい怒りを覚えるのは、ある意味当然なのではないかと思えるくらいに、石油利権・金融利権で中東、アフガンなどのさまざまな勢力を育て利用し、そして不要になったら、不正をしていた(不正経理)と切り捨てる姿が、その人脈を中心に展開されます。

 アフガンも相変わらずうまくいかず、カルザイ政権下で苦労していますが、この本を読むとカルザイ自身がアフガンで受け入れられる存在ではないことが分かります。

 この金融戦争を読むと、石油戦争でもそうですが、アメリカンスタンダードのグローバリズムを、単にグローバリズムとして受け入れている日本、そのように報道するメディアの姿勢を疑わざるえない気持ちになると思います。

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世界金融戦争―謀略うずまくウォール街〈下〉

広瀬 隆 / 日本放送出版協会

 上巻につづいて下巻も人脈や情報満載でした。下巻はソ連の崩壊からロシアの混乱、炭ソ菌テロ、9.11後のイラクとの戦争が主な構成で展開されます。

 今の学生の皆様には歴史教科書のレベルだと思いますが、このソ連の崩壊は、私や私よりも上の世代にとっては本当に現実の話であり、エポックメイキングともいうべき出来事ではないかと思います。このソ連の崩壊からその後のロシアの崩壊という中でユダヤ人やウォール街の金融利権、石油利権者たちが群がり、富を重ねていく姿が、その都合で戦争が起こされていく図式などが描かれています。

 チェチェンについての説明もありますが、この項目などを読んでいると、何をテロと呼び、何を戦争と呼ぶのか考えさせられます。メディアの報道ではチェチェンの過激派がロシアに対してテロでむちゃくちゃなことをしているイメージになってしまっていると思いますが、実際には先にロシア軍がチェチェン人を10万人殺しているという現実があります。チェチェン人110万人ということで1割近くが殺されていることからすると、むちゃなことをしているのはロシアのほうこそだとも言えるはずですが、日本のメディアでそんな報道を見た記憶が私にはありません。

 また炭ソ菌テロについても不思議です。このテロはいつのまにやらわからなくなってしまいましたが、当初はイスラム勢力のテロという報道だったと思うのですが、この本を読むと炭ソ菌をテロで使用するために乾燥粉末にさせるのは簡単なことではなく、大変な科学力が必要で、イスラム勢力にそれができるのか、それができたとしたら、なぜ、郵送で特定の人物だけに送る形にしたのか疑問がわいてきます。この本の推測にも、確かにそうかもと思わせるものもあります。

 世界情勢の見方について深みを与えてくれる1冊です。

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by ebiken-chigasaki | 2008-12-31 17:33 | 読書記録
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