2009年3月に読んだ本② 再生日本
田原総一郎が、大きく分けて「環境問題」「教育問題」「金融危機とサブプライム問題」「官僚問題」これら4つの問題について、さまざまな人から聞き取り、そのときの政治状況や経済状況を加味して、なぜこれらが問題であり、これらの問題がどのような経緯で解決が図られようとしたのか、またその結果として混乱を招いたのかというのが展開されます。
環境問題の地球温暖化については、日本では、二酸化炭素が犯人であり、二酸化炭素をある意味目の敵にして削減することが、声高に喧伝されていますが、二酸化炭素だけでないことや、地球温暖化の際に登場する組織IPCCがどのような組織なのかという説明がなされており、二酸化炭素削減にある種熱狂している日本のことを考え直すのには参考になると思います。
「教育問題」については、ゆとり教育、脱ゆとり教育という方針の変更の流れや、この上からの方針で、困っている現場の姿、そんな中で、学校内に地域を取り組む努力をし、成果を上げている学校が描かれており、「教育改革は現状の延長戦でいいところを見ながら手直しを加えていくべきで、いいところを見る努力を怠れば、どの組織でも殺伐としてしまう」という言葉は、なんでもそうですが、改革を考える上で、とにかく前の制度を完全否定してしまうことの愚かさを感じました。
官僚問題は、とにかく官僚の抵抗の仕方のうまさというか、国会議員がどのように伍していくのか、国会議員が官僚に取り込まれずに、一致団結して変えようとしないかぎり、分断されて、変えようとする者が少数派になってしまい、結局頓挫せざるえない姿がわかります。
最後に、環境で、安倍首相の役割について、本当はすごい役割をしたのに、それをマスメディアが報道しなかったとあったんですが、田原さんは、そのときどうしたんだろうかという疑問がわきました。田原さんなら伝えることができるはずなのにどうだったんだろうか?メディアに疑問を呈するのは、わかるんですが、同じメディアで活躍され、十分発言できる方なのだから、どうだったんだろうか…
by ebiken-chigasaki
| 2009-04-02 23:33
| 読書記録